“迫りくる裁判員制度について”というタイトルでの、弁護士竹下義樹氏の講演です。来年5月に裁判員制度が始まることになり、新聞などで既に聞かれていると思います。まさにタイムリーなテーマの例会となりました。
私は始めてなのですが、プリンスでの講演は2回目という竹下先生は、声が大きくて、はっきりと聞き取れ、盲人にもかかわらずメンバー全員が見えるように表情豊かに話され、皆聞き入ってしまいました。
裁判員制度とは、公平な裁判を市民の手で作り上げていこうというもので、人間が行なうものには間違いはあるという誤判を少しでも防ぎ、真実に近づくには、一人でも多い方が良いという考えの元、市民である裁判員6人と裁判官3人という体制で重大刑事事件のみ地裁の一審で審理していこうというものだそうです。
通り魔殺人、タクシー強盗殺人、保険金殺人など多くの凶悪事件が連日報道されていて皆が知っている、いくつかの事件を例にあげられて、重大な刑事裁判について話されました。刑事裁判だと、死刑、無期懲役などの刑罰を被告人に宣告した場合、国民の生命、あるいは自由を奪うという重大な結果をもたらすことになり、このことに絶対に誤りがあってはなりません。このような裁判を何事にも拘束されずに、世間の注目の元、3日から10日間の時間を費やし、自らの良心に従って判断し、裁判官と共に決定していくことになります。市民が参加することは、このように重要な意味を有します。
私何かには、出来ない、自信がない、と不安を正直感じています。でも反面、裁判員は決して気軽に出来ることではありませんが、十分やりがいのある役割だとも思います。竹下先生がおっしゃられた、「法律の勉強は特にいらない、人の命の重みを思って、人権感覚を磨くことに興味を持て」という言葉は、とても大事だと思います。
あと私が日本の裁判について思うことがあります。日本においては殺人事件の解剖率が、英米の50〜60%に比べて極めて低い9%だということはご存知ですか? 監察医が少ないせいなのですが、これは裁判においての情報不足につながります。素人である裁判員に確固たる情報を与える為にも、国には監察医を増やす努力をしてもらいたいと思っています。
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