「なぜワイズメンが環境問題に取り組む必要があるのか」
「環境問題への取り組みは多くの団体で取り組んでいて、今更それにワイズが取り組む必要は無い」「京都議定書に批准しないアメリカの真の理由を知る必要があり、今それに取り組む必要がワイズにあるのか」など昨年から今期初めに掛けて私にいただいた意見の一部です。
YMCAは国際協力募金を毎年実施し、その年度ごとに基金の支援先を決め、集められた基金を支援金などとして使っています。世界中のストリートチルドレンやエイズ孤児、多くの災害で家族を失った子供たち自らが生きるために、ごみをあさり、地を這い、売りたくも無いものを売ってその日を懸命に生きていると聞きます。そんな子供たちを救うためにYMCAは活動をしていることは言う間でもないことです。
アフリカの水飢饉
アフリカでは湖の水位が急激に低下しているという新聞記事が掲載されていました。
あのヴィクトリア湖でもその水位の低下は著しいと聞いています。めいぷるクラブの福山ワイズが訪問したモンゴルでも、びわこ程度の大きさの湖が5年で消えてしまった、との報告がなされています。なぜそんなに世界中で水が少なくなっているのでしょうか。
その原因として
@ 水の使用量の増加:直接的に使用する水や耕作など使用する水の増加。
A 地球温暖化:大気の乾燥、大気乾燥によって土壌中水分の大気中への放出による地下水の低下
B 人口の増加
などがあげられます。水の使用量については当然増加傾向にあり、特に私たち日本人の水の使用は、飲める水をトイレに使うといった贅沢な使用になっています。それは世界平均の二倍の降水量があり、恵まれた森林の存在があるためでもあります。しかし安心はできないのが現状なのです。最近の雨の降り方は極端で、日本の地形から極端に降る雨は一度に川に流れ結果として災害が起こり、また地下へ浸透する間もなく海へと流れていきます。加えて降雪量も少なくなっています。これは琵琶湖の水質が悪化する要因となっています。
このまま地球温暖化による大気の乾燥状態が続くと地上にある水はもちろん、地下水もその水位は低下し、ついにはかれてしまうことも予想されています。国際水フォーラムが開催され世界中の水問題について会議がされていますが、良い手立ては無いようです。
もしも、水飢饉がアフリカをはじめ多くの国で起こると水をめぐる新たな戦いが始まり、結果、新たな環境難民を作り同時に、水による戦いで家族を失う孤児が作られていくことに繋がっていくのです。
私たちはどうしても目の前にある問題を解決する傾向があります。しかし視点を変え次に発生すると予測される問題があることを知り、それへの取り組みが必要であると言うことも事実で、それは事前に問題発生を抑制することになります。返ってそのほうが解決のためのコストよりも安く、また手間もかからないことが多くあります。
ワイズメンはYMCAへの協力を惜しむことなくする義務がありますが、そこには提案することも含まれていることを忘れてはいけないことです。今ある問題と将来発生する問題との両方あることを忘れないことです。環境問題、地球温暖化対策への取り組みはワイズメンにとって将来発生する問題への大きな提案となり、新たな孤児を作らないための取り組みなのです。
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