Kick-Off Agein   三木 貴夫

 僕がプリンスクラブに入会させて頂いてすぐに“花背山の家”でYMCAの一泊の事業がありました。(Y・WAYウェルネスフェスタ)初めて家族4人で参加した事業でした。その時上の娘は幼稚園の年長組で下の息子はまだ1歳半でした。月日の経つのは早いもので、今や大学一年生と、中学3年生にまで成長しました。約13年の時間が経過の中で子供の成長と共に色々な事がありました。子育ての中で、4人で共に笑ったり悩んだりでしたが振り帰ると、瞬く間の楽しい時間の経過だったと思います。でも言いかえれば、自分も確実に年をとっているわけで、昭和32年生まれの僕は、今年の5月で数え年で50歳になりました。今から13年経つと、還暦をとうに過ぎ年金を頂く年齢になるわけです。  今や日本人の平均寿命は確かに世界一で、男性でも80歳のレベルに迫ろうとしています。でも、私のところの患者さんを見ていると、実際に元気に動けるのは(個人差はありますが)70歳まで。70歳を過ぎると多かれ少なかれどこか身体にトラブルがでてくるようです。又、平均80歳ということは、見方をかえると80歳までに半分の男性が寿命を全うしていると言う寂しい事実でもあります。  確かな事は、もう人生の8分の5を使いきり、後8分の2の健康な時間しか残っていないと言う現実です。この20年をどう使うか?一度立ち止まって、リセットしてみてもいいかなと思うこの頃です。


 近くて遠い街 上海     森 伸二郎

 先日、上海へ行ってきました。ちょっと前までの中国の映像といえば、国民服を着た人々が、紫禁城前を自転車に乗って走っている北京の風景が主だったのですが、最近の映像は、超高層ビルの立ち並ぶ超近代的な上海、M:i:Vで主人公が超高層ビルから超高層ビルへ飛び移るシーンも上海。日本に入ってくる衣類や家電製品など多くの工業製品は、中国で作られたものばかり。中国の近代的工業化が急速に進んでいる象徴的な映像が、上海・浦東のTV塔の映った風景。そんな中国を鵜呑みにできなくて、上海を見に行ってきました。
 関空から2時間で到着した上海空港は、関空の2倍はあろうと思えるドデカイ空港、しかも関空と何んら変わらない近代的な設備。そしてそこから乗った乗り物は、日本には無いリニアーモーターカー、時速430kmのスピードを初体験。上海の街を走る高速道路(無料)から見る風景も、東京や大阪とそれほどの違いは無し。
 上海の租界時代を再建した、欧米の香りを漂わせる再開発地区「新天地」の中を歩いていると、お洒落なカフェやビストロ、スタバもあって、日本の何処かのテーマパークの中に居るよう。コヒー1杯25元、ピザ1枚60元、ドイツビール500ml 65元と、この中では日本と同じ物価である。(1元約16円)
 我々が泊まったホテルのすぐ傍の淮海路(ワイハイルー)は、上海屈指のファッショナブルストリート、外資系のブランド店の立ち並ぶ中に伊勢丹もあり、売っている物は、値段的に魅力のある物は何も無く、中国系資本の女性向け衣料品店に入って行った嫁さんが、「ここは安い!」と言いながら、紙袋を手にして出てきました。
 夜景の美しさで有名な外灘(ワイタン)、黄浦江の向かいのライトアップされた東方明珠塔と高層ビルの夜景は有名である。その観光スポットでは、偽ブランドの時計や小物入を売る中国人がうるさく付きまとい、中には空き缶を手に“マネー、マネー”と言って付いて来る者もいてうんざり。
 タクシーは激安?高速道路を使って20分ぐらい走っても50元。街中の移動では、日本円にして300円も払うことはなかった。上海で生活する日本人家族には、お手伝いさんを雇っている人もあるそうだけど、一ヶ月の費用が1000元程度らしいです。
 二つの顔を持つ上海、国際的物価と固有の物価が同居している大都会。超近代的な高層ビルの間では、頭上に洗濯物を干す路地のある街。庶民の移動手段は自転車。一つ驚いた事に、繁華街での路上駐車が皆無。それもうなずけそうな気がしました。
 そしてもう一つ、上海の人は「スモッグ」を認めようとはしないけれど、青空の見えない街でもありました。